アメリカ「NBCをblackoutせよ!」
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この記事は、英語30日チャレンジ「アメリカの今日のトレンドを調べてブログ記事を書き、関連する英単語を紹介」の一環として書かれています。 記事はGoogle Trendの検索急上昇キーワードおよびTrend CalenderのTwitterトレンドワードを参考にまとめました。 特記なき場合、記事内の日時はアメリカ時間で記載しています。目安として、アメリカの9月1日が終るのが、日本時間9月2日17時です。
目次
記事の後半で英単語「friend-turned-foe」と「town hall」について紹介しています。最後まで読んでね。
木曜の夜はアメフトを見たいのに…
いつもながらスポーツの話題が多いアメリカのGoogle検索急上昇ワード。アメリカ10月15日の急上昇ワード1位は「Thursday Night Football」(木曜夜のアメフト)でした。アメフトリーグのNFLは現在レギュラーシーズンを行っています。例年のNFLなら、試合日程は日曜日と木曜日と非常に分かりやすいものでした。
しかし、今年は新型コロナウィルス流行の影響で、例年のような分かりやすい試合日程とはいかないようです。話は先週のテネシー・タイタンズ対バッファロー・ビルズの試合までさかのぼります(この試合に関しては先日詳しくご紹介しています)。本来10月11日に行われる予定だったタイタンズ対バッファロー・ビルズの試合は、タイタンズの選手がコロナに罹患した影響で、10月13日に日程がずれ込みました。バッファロー・ビルズの次の試合は10月15日に予定されていましたが、3日もあけずに試合を行うことは不可能だとして、10月19日に延期になりました。
アメフトファンには残念ながら、10月15日木曜日の夜は試合を楽しむことができませんでした。なぜ試合が行われないのか、次の試合日程がいつなのか、検索する人が多かったようです。新型コロナウィルスの影響で、他の試合日程にも変更が出ています。NFLは予備の試合日程を一週間とっていますが、無事にシーズンを終えることはできるのでしょうか。
スティーブ・スキャリーのTwitter醜聞
10月15日アメリカのGoogle検索急上昇ワード第2位は「Steve Scully」でした。「スティーブ・スキャリー」はケーブルチャンネルC-SPANのシニア製作責任者と政治部編集を務める人物。10月15日に行われる予定だった大統領選挙討論会の司会を務める予定だったこともあり、注目が集まっている人物です。
今回話題になっているのは、C-SPANがスティーブ・スキャリーの休職を発表したためです。今月初めにスキャリーは「Twitterアカウントを乗っ取られた」と発言していました。しかし、この発言が嘘だったことを本人が認めたため、C-SPANは処分に踏み切ったと言います。
ことの発端は、10月8日のツイートです。大統領選討論会の司会がスキャリーに決定してから、トランプ大統領は放送などでスキャリーを名指しで攻撃していました。8日には、「(スキャリーは)決してトランプ派ではない」と司会の中立性を疑問視するツイートをトランプ大統領が投稿。このツイートの直後にスキャリーは、「should I respond to trump」(トランプに返事した方がいいの?)とツイートしています。送信相手は、トランプ派から反トランプ派に変わった政治家アンソニー・スカラムーチ。翌朝にこのツイートが話題になると、スキャリーはTwitterアカウントが乗っ取られた、ツイートしたのは自分ではないと言い訳をしました。
C-SPANも、「スキャリーはこの文章を書いておらず、twitterアカウントがハックされたと主張している」と声明を発表。しかし、スキャリーの言い訳に対して、特に保守派(トランプ派)のメディアから、偽証に違いないとの指摘が集まりました。翌週に、スキャリーはアカウント乗っ取りが嘘だったことをC-SPANに認めました。大統領選討論会の司会が決まってから、SNSでの批判が続き、保守派のニュースでは中立性を疑われ、家族に対する攻撃もあったとのこと。トランプ大統領がテレビ放送でスキャリーを攻撃する様子を聞き、我を失ってツイートしてしまったと言います。さらにこのツイートを嘘で隠ぺいしようとしたことに対しても、謝罪をしていました。
「NBCをblackoutせよ!」
さて、アメリカ時間10月15日17時半ごろから18時ころまで、内部システムの変更により障害が起きていたTwitterですが、現在は復旧しているようです。そんなtwitterのアメリカ10月15日のトレンド1位は「#NBCBlackout」でした。
第2回目の大統領選挙討論会は10月15日に予定されていました。しかし、討論会はトランプ大統領の意向で中止されています。討論会に代わり、バイデン候補はABC放送でイベントを行いました。それに対抗して、トランプ大統領はNBC放送で同時刻にイベントを開催しています。
日本でも話題になった同時放送。アメリカでは同時刻にイベントを行うトランプ大統領だけでなく、同時刻の放送を許可したNBC放送にも非難が沸き起こっています。そこで使われているのが「#NBCBlackout」というハッシュタグ。このハッシュタグはNBC放送の「NBC」と「blakcout」を組み合わせたもの。「blackout」には「停電」という意味もありますが「報道管制」という意味もあります。同時放送の時刻にはNBCは視聴せずに、利用者側からの報道管制を仕掛けようという意味のハッシュタグです。
ジュリアン・ムーア、ジム・キャリー、ベン・スティラー、マリシュカ・ハージティ、J・J・エイブラムスなど多くの著名人も、同時刻放送を決めたNBCの対応に抗議。視聴者に対しては、この時刻はABC放送を見るように呼びかけています。他のTwitter民も追随して、「#NBCBlackout」が10月15日のトレンド一位になりました。
今日の英単語1「friend-turned-foe」
今日ご紹介する英単語の1つ目は「friend-turned-foe」です。「friend」は友、「foe」は敵を意味し、「friend-turned-foe」で「友が敵になる」という意味です。今日ご紹介した「Steve Scully」に関する記事の中では、(前略)...the C-SPAN veteran sent a tweet to Trump friend-turned-foe Anthony Scaramucci.
(C-SPANの古参編集者は、トランプを裏切ったアンソニー・スカラムーチにツイートした)と使われていました。なお、「veteran」については先日ご紹介しているので参考にしてみてください。
小説や漫画、映画やドラマなどの内容を表す言葉としても、「friend-turned-foe」はよく耳にします。たとえば、映画データベースのIMDBでは、キーワードとして「friend-turned-foe」が使われています。
今日の英単語2「town hall」
今日ご使用回する英単語の2つ目は「town hall」です。「town hall」は「市庁舎」や「公会堂」という意味の英単語です。同時に「town hall meeting」(対話型集会)の略として使われることもあります。今回トランプ大統領とバイデン前副大統領の同時刻放送で放映されたのも、各陣営の「town hall」でした。
「#NBCBlackout」に関連する記事では、NBC News Continues To Face Backlash Over Scheduling Of Donald Trump Town Hall
(トランプ大統領の対話集会の放送を決定したNBCに対する反発止まず)と「town hall」を使っていました。
まとめ
都合が悪いツイートは「Twitterアカウントを乗っ取られた」と言い訳する60歳に、個人的に驚いてしまいました。しかも、大統領選挙討論会の司会を務めようという人物…。世の中理解できないことも多いものです。